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BVRT ベントン視覚記銘検査

Benton Visual Retention Test

ベントン視覚記銘検査は、アイオワ大学神経心理学ベントン教授によって1945年に発表された、高次脳機能障害のスクリーニングとして使われる視覚性記憶の優れた検査である。
原版著者:A.L.Benton
日本版作成:高橋剛夫
画像提供:三京房

概要

  • 器質的脳機能障害の神経心理学的スクリーニングで、視覚認知・視覚記銘・視覚構成能力を評価する検査である。
  • 言語記銘でなく図版記銘のテストである。
  • 心因性障害と器質性脳障害の鑑別に有用である。
  • 脳損傷と健常群、正常加齢の影響と認知症の区別に有効な診断手段である。
  • 1つの図版形式は10枚の図版からできている。同質の図版形式が3種類あるので、練習効果と習熟の可能性をさけて再検査ができる。
  • 施行A(10秒提示即時再生)、施行B(5秒提示即時再生)、施行C(模写)、施行D(10秒提示15秒後再生)の4つの施行方式がある。
  • 図版形式は、形式I・形式II・形式III。
  • 採点方式は正確数・語謬数の2方式である。正確数は全般的成績水準を評価するために用いられ、誤謬数は詳細な質的分析をするために用いられる。
  • 誤謬数は省略・ゆがみ・保続・回転・置違い・大きさの誤りの6部門(63種)に分類される。
  • 採点は客観的で迷うようなことはない。
  • 記録用紙には誤謬63種の記号が印刷されているので該当欄に◯印をつければよい。左右別を含む8部門の集計や、再検査結果との一覧対比が簡単に出来る。
  • 実施時間:約5分

ベントン視覚記銘検査使用手引(新訂版)

原著第3版を訳出した日本版を在来のA5判からB5判へ拡大したのが新訂版である。図版が拡大されたので見易くなった。形式I図版1~10、形式II図版1~10、形式III図版1~10の30頁の採点見本に提示原図をそれぞれ新しく加えたので、正確数、誤謬数の採点が、今までより楽に、より正確にできるようになった。臨床面で参考になる日本での研究資料を増補した。



検査名:BVRT ベントン視覚記銘検査(BVRT、ベントン)

信頼性と安定性

 ベントン視覚記銘検査は、反復施行しても高い安定性、再現性をもつ信頼性の高い検査である。6~12ヶ月間隔で健常者に3つの施行(施行A,施行B,施行C)を実施した結果、正確数・誤謬数とも有意差は認められず、一致度係数は正確数0.74 誤謬数0.77 となっている。

認知症早期のスクリーニング

 アルツハイマー病(AD)に対する薬物介入が可能になり、ADのより早期の診断の必要性が高まっている。 橋爪氏(東京慈恵会医科大学)は、「物忘れ」を主訴とする患者にベントン視覚記銘検査を実施したところ、「正確数」「誤謬数」「省略」に関して正常群とADの疑いがあるCDR0.5群との間に有意差を認め、CDR0.5群の視空間認知、視覚記銘、視覚構成能力の低下を指摘しており、CDR0.5群のスクリーニングにはベントン視覚記銘検査が優れているという結果を得た。短時間で施行可能な非言語性検査のベントン視覚記銘検査は、認知症早期のスクリーニングとして有用であると報告している。
適用範囲
8才~成人
医科診療・点数
D-285-(2) 280点

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価格 数量
用具
検査セット

図版、手引書、記録用紙(100部)、描写用紙(200部)

17,600円 数量
用紙
記録用紙 100部

3,850円 数量
描写用紙 200部

2,200円 数量
検査法・手引書
使用手引 新訂版

B5判、111頁

5,500円 数量
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