ITSP乳幼児感覚プロファイル
Infant/Toddler Sensory Profile
(アイティーエスピー)- 乳幼児の感覚刺激への反応傾向を評価するInfant/Toddler Sensory Profileの日本版です。生後0カ月から使用することができます。
実施時間:15分
画像提供:日本文化科学社
概要
原著者 |
Winnie Dunn |
原版出版社 |
Pearson |
日本版監修 |
辻井正次 |
日本版作成 |
萩原拓、岩永竜一郎、伊藤大幸、谷伊織 |
適用 |
0カ月~36カ月 |
実施時間 |
15分 |
発行 |
2015年 |
特徴
- 乳幼児の保護者が質問票に回答し、検査者がスコアを集計します。
- 質問票は、「聴覚」「視覚」「触覚」「前庭覚」「口腔感覚(7~36カ月のみ)」のセクションに分けられ、0~6カ月用は計36項目、7~36カ月用は計48項目で構成されています。
- 0~6カ月の子どもについては4つの象限(「低登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚回避」)、7~36カ月の子どもについては4つの象限に加え、セクションごとにも評価することができます。
- 各象限、各セクションについて、月齢群別のカットスコアを用いて3段階あるいは5段階で評価します。
- 「低登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚回避」それぞれの傾向について、どのような支援が有効かというガイドラインが示されています。
- 1つの質問票が0~6カ月用と7~36カ月用で構成されており、同じ子どもに対して継時的に反応傾向の変化をみるという使い方も可能です。
- 教育、医療、研究、福祉など、幅広い分野で、対象者の感覚処理傾向を考慮した支援を立案する際に有益な情報が提供されます。
構成
セクション(7〜36カ月のみ)
|
聴覚 |
視覚 |
触覚 |
前庭覚 |
口腔感覚 |
日本版刊行にあたって(カタログより引用)
これまで、聴覚や視覚、触覚、味覚、嗅覚等、感覚の問題を客観的に把握することは難しいと考えられてきました。また、感覚過敏が原因で日常生活において著しい困難が生じていたとしても、周囲には気づかれないこともありました。しかし、最新の診断基準(DSM-5)において、自閉スペクトラム症の診断基準に、新たに感覚過敏性などの感覚異常が加えられ、そうした感覚異常を客観的に把握できるようにすることの必要性が明確になってきました。
感覚プロファイルは自閉スペクトラム症を中心とする発達障害の人たちの感覚特性を客観的に把握するために欧米ではよく使われている尺度であり、今般その日本版が刊行されました。この検査は、SP感覚プロファイル(保護者記入)、ITSP乳幼児感覚プロファイル(保護者記入)、AASP青年・成人感覚プロファイル(自己記入)からなっており、非常に簡便に、短時間で実施できるのが特徴です。原版開発者のDr. Winnie Dunnが提唱する感覚刺激への反応傾向を4つの象限(低登録・感覚探求・感覚過敏・感覚回避)でとらえていく考え方は、感覚の問題に困る多くの発達障害等の人たちへの重要な支援の視点を提供しました。今まで「どうしようもない」と思われていた感覚の問題を、本人や家族、支援者が具体的に把握できるという点で、感覚プロファイルは革新的な役割を果たしています。早期に感覚異常を把握することは、子育ての上でも青年期以降の生活適応を考える上でも、とても重要なのです。
感覚の問題に困っている多くの発達障害等の人たちの感覚傾向を把握し、その支援策を考えていく上で、感覚プロファイルの情報が有効に活用されることを願っています。
辻井 正次
関連検査
適用範囲:11歳~82歳
*対象者が自分で質問票に回答する自己評定式です。
*11歳~82歳の対象者については、「感覚プロファイル」(他者評定式)と「青年・成人感覚プロファイル」(自己評定式)を目的や対象者の状態に応じて使い分けることができます。
適用範囲:0カ月~36カ月
*保護者などが質問票に回答する他者評定式です。
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